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日本茶ソムリエがいる新しい日本茶専門店
「人が通らない裏道にこそ、チャンスがある。ただし、裏道にしろ表道にしろ、行くならスピードが大事」という言葉は茶の達人千利休が残した言葉だが、
人通りが少ない路地裏のお店には、個性的な視点をもったわくわくするお店が多い。
そのただずまいから、一見入りにくい感じもするが、入ってみたらいままで知らなかった世界が広がることも多い。
小倉北区中島にある日本茶専門店「茶論 Salon du JAPON MAEDA」もわざわざ訪れたいお店の一つである。
店主である前田敏さんは日本茶ソムリエであり、実家の創業100年余りの日本茶専門店「御茶 前田園」から独立し、自分の考えるスタイルでの日本茶専門店としての新たな一歩を踏み出した。
モノレール旦過駅から徒歩10分、個人でしている雰囲気の良い雑貨屋やカフェやイタリアンが近くにある中島エリア。
中島エリアの細い路地道を歩いていくと、平屋建ての改装された古民家がみえてくる。
店内は靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。
壁には黒飴色の柱や梁、カウンター席とテーブル席があり、床の間の窓からは四季折々の生け花や植物に目を奪われる。
店内には、前田さんがお茶の淹れやすさを研究してデザインを考えた、日本製の急須や作家による小物なども販売している。
ソムリエが茶を論じる。茶論と喫茶室のサロンをかけて、メイドインジャパンのモノを同時に発信するというのが名前の由来になります。店内に置いている急須もお盆も茶碗も全部手作りの日本製です。そこを僕が店内のお茶や雑貨についてカウンターで語らう。いままでやってきたお茶屋さんのやり方でやるのではなく、新しい時代のお茶屋を作ろうと始めました。
店主の前田さんのお話しは聞いていて惹き込まれる。勉強をせず遊んでいた学生時代からお茶の文化に深くハマるきっかけまで、
お茶について初心者の僕が聞いていても深い世界だなと何度も頷いて、お茶の世界について前のめりになって聞いている。
昼間は和菓子やお茶などのカフェとして、夜は抹茶の風味が味わい深い抹茶ビールなどがあるバーとしても営業している。
チャージ代なしの良心的な価格でのバーの時間帯は、小倉の夜に訪れてほしい場所の一つである。
最初は周りの人に絶対失敗すると言われていました。商店街やデパ地下などにお茶屋があるのに、人はわざわざコインパーキングに車を止めてまで来ないと。利休の言葉の「裏路地にはチャンスがある」のように、ここの場所には匂いがありました。この路地が茶室にむかう路地に感じたんですよ。茶室は玄関に作らないですよね。そこを路地とみたてたました。通りがメインで、入ってくる入り口も何通りもある。人も探す楽しみがあり、茶筅の音などが響く非日常な空間で、日本茶を通して日本の伝統やお茶の作法をもっと広く知ってもらいたい。
幅広い年齢層の方に支持され、路地裏の賑わいをつくっているのも納得である。
(聞き手・文/小野 義明 写真/小田 雄大)
- 茶論 Salon du JAPON MAEDA
住所 : 福岡県北九州市小倉北区中島1-15-3
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Tel : 093-512-3077
営業時間 : 11時〜18時(ランチ11時半〜14時)、木金土19時〜23時半
定休日 : 火曜日